日々雇用労働者問題
2年前より「受給要件の厳格化」と称し、日々雇用労働者への締め付けが酷くなっている。
私たちも労働者供給事業により日雇雇用保険を活用しているが、現在の厚労省雇用保険課の考え方は、労働者供給事業の「運営」にまで介入していると言わざるを得ない。
現在、日雇い雇用保険問題は関西では収まっている。失業手当の受給について、「口座振替」への変更が推し進められたとき、関西では、現状のままの「現金支給」の継続を、「運動」によって勝ち取ったからだ。ところが、東京ではそのようにはなっておらず、今回、驚きの事実が明らかになった。
●関西の日々雇用労働者の闘いを広げよう!●
日雇雇用保険手帳をもって就労する東京の青年労働者から話を聞いた。青年は、失業手当を従来通り現金支給するよう求めて職安と折衝。「関西と同じようにすべきだ」と職安に申し入れして、4~5ヵ月も失業手当の認定金(アブレ手当)を留保され、それでも闘ったという。最近まとめて支給はされたものの、現状は何も変わっていないという。
関西のように運動が大きく広がれば撤回させることも可能なはずだ。しかし、東京ではさらにもう一つ大きな問題があるという。
それは、手帳の返還問題だ。東京では、昨年の10月~11月に、一気に約4000人近くが手帳を返還し、約1700人にまで減ったという。
この要因は、労供事業契約での新運転・自運労のメンバーが清掃関連職場での労供契約を「日々雇用だからダメだ」とされ、事実上手帳を取り上げられたからだ。
「日雇雇用保険の厳格化」になる前は、6000人以上の資格者がいたが、被保険者数は激減。
しかも、この問題はエスカレートしている。行政機関は、労供事業での日雇雇用保険適用者にまで手を伸ばしていることは前述したが、さらに、東京の山谷地域の玉姫職安では、日々雇用労働者として働く人たちにまで手を伸ばしたのだ。
月に5日~7日ほどしか働けていない労働者(特掃【高齢者特別清掃事業】のみ)に対して、働ける環境や仕事が限定されている実情にもかかわらず「民間の仕事をして印紙を貼付しないと手帳を返還してもらう」とし、約300名もの日雇雇用保険手帳所持者が手帳を返還させられたのだ。
これは、明らかに職安の行う憲法違反であり(憲法22条職業選択の自由)、断じて容認できない。 私たちは怒りをもって闘わなければならない。
●各地域の現状知り「労働者の権利」守ろう!●
日雇い雇用保険受給者は年々減らされ、一方で保険を活用することなく働かされる日々雇用労働者が増えている。(厚労省データーの労働力調査では男女併せて72万人が日々雇用労働者である)
今後、この日雇雇用保険問題については全国の現状を把握しなくてはならない。そして各地域でこの問題を大きく取り上げ、労働者の権利を守る活動を進める必要がある。
【 くさり10月号より 】